舟山淳起氏(H23年度理工学研究科建設システム工学専攻修士課程修了生),宇佐美勉教授(理工学部),今瀬史晃氏(H24年度理工学研究科建設システム工学専攻修士課程修了生),王 春林氏(元本学ポスドク,現東南大学(中国)講師)の連名の論文に対して平成24年度土木学会田中賞(論文部門)が授与されました.田中賞(論文部門)は,橋梁工学の発展に大きく貢献した論文に与えられる賞です.受賞の対象論文は「アルミニウム合金製BRBの低サイクル疲労特性」であり,授賞式は平成25年度6月14日に開催された土木学会総会にて行われました.
「土木学会賞選考経過及び受賞理由書」記載の受賞理由は次のようです.
橋梁の耐震性向上策の一つとして,著者らは軸降伏型の制震ダンパーである鋼製座屈拘束ブレース(BRB)の開発とその高機能化に関する研究を行ってきた.本論文は,軽量で耐食性が良好であるアルミニウム合金を素材に用いることで,BRBの更なる高機能化を目指したものである.アルミニウム合金をBRBとして利用しようとする点は独創的であり,土木構造物への利用方法に一石を投じる先駆的な取り組みである.(中略)
以上のように,独創的な発想に基づく先駆的な取り組みを,実用化につながる知見を示すまでにまとめた本論文は,橋梁制震技術の発展に大きく貢献すると判断できることから,土木学会田中賞に値すると認められた.
第一著者の舟山淳起氏は,現在八千代エンジニアリング株式会社・構造橋梁部に所属しています.舟山氏は,学部・修士課程在学中,宇佐美教授の指導の下で昼夜を問わず研究を重ね,その成果は9編の査読付き論文として国内外の著名学術誌に掲載されています.今瀬史晃氏も本学修士課程の修了生であり,両氏が修士論文研究により土木学会賞受賞の栄誉を担ったことは,本学科の研究レベルの高さを示すものであり,同時に学生諸君にとって大きな励みになるものと思われます.